心の風に吹かれて~白い雲のように~ Nagoya Styles

空を自由に漂う「雲」のように「心の風」に身を任せ、一人旅を好む45歳の「出稼ぎ生命科学者Nagoya」が思うがままに書き綴ります。

【保存版】専門外の人が科学・医療系の学術論文を読むときにチェックしたい「インパクトファクター(IF)」・「被引用数」・「h指数」・「i10指数」

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20191109120743 Nagoya

訪問、有難うございます。

「心の風」に誘われて、

思うがままに書き綴る「旅する生命科学者Nagoya」です。

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(いらすとやのHPから拝借)

20191109120743 Nagoya

今回は、

専門外の人が科学・医療系の論文や記事を読むときに気を付けておきたいことを紹介したいと思います。

 

信頼出来る最新の情報は、学術論文にあり

20191115111404 Marriott

インターネットを含めた情報網が発達した現在、「がん」や「難病」の情報は、従来よりも入手しやすくなっているよね。

20191110141246 Centrair

「新型コロナウイルス(COVID-19)」の感染リスクや感染予防に繋がる情報が早く欲しい!!

20191115111656 Marriott

信頼出来る情報を御願いしまーす。

20191109120743 Nagoya

以前の記事にも記した通り、医療系の情報は「ガイドライン」に記載されている情報が最も信頼できます。

20191110141023 Centrair

うん、でも更新頻度がね…。

20210124192531  博士

信頼出来る最新の情報を入手したいなら「学術論文」が一番じゃ。

20191109090757 Nagoya

「新型コロナウイルス(COVID-19)」に関する学術論文は、現在無料で公開されています。

20210124192531  博士

アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館が提供しているPubMedにインターネットでアクセスすることが出来れば、誰でも閲覧することが出来るぞ。

20191115111409 Marriott

でも、英語でしょ?

20210124192531  博士

そこは、頑張るのじゃ!!

20191115111411 Marriott

そんな~。

 

新型コロナウイルスに関する論文が、1年間で87852報発表されました

20191109120743 Nagoya

2020年12月31日にキーワード「COVID-19」を用いて検索したところ、87852報の学術論文がPubMedでヒットしました。

20191115111656 Marriott

87852報って、多いの?

20210124192531  博士

生命科学史における主要な研究成果「iPS細胞」や「スタチン」と比較すると分かりやすいぞ。

  • 「iPS細胞※1」に関する論文:開発された2006年からの14年間で約10000報
  • 「スタチン※2」に関する論文:発見された1973年からの47年間で約59000報

※1:現京都大学教授の山中伸弥先生が開発した人工多能性幹細胞

※2:東京農工大学特別栄誉教授の遠藤章先生が発見・開発した動脈硬化治療薬

20191115111407 Marriott

「新型コロナウイルス(COVID-19)」が発生してから1年と考えると、ムチャクチャ多いね。

20191109120743 Nagoya

1日あたり約240報の論文が発表されている計算になります。

20191115111407 Marriott

1日に240報!!

20191110142731 Centrair

これ、全部信頼していいの?

20191109120746 Nagoya

残念ながら、全ての論文が信頼できるとは限りません。

 

学術論文も、ピンからキリまで…。

20210124192531  博士

学術論文は、多くの場合「査読」と呼ばれる審査を経て一般に公開されるぞ。

20191115111656 Marriott

査読付の論文は、全て信用できるということ?

20191109120746 Nagoya

残念ながら、必ずしも「Yes」とは言えないかな。

20191110141019 Centrair
どういうこと?
20210124192531  博士

架空の実験データを用いる研究者も、居るのじゃ。

20191110141025 Centrair

ヒドい!!

20191109120746 Nagoya

ごく一握りの研究者だけどね。

20191115111656 Marriott

架空のデータかどうかは、審査の段階で分からないの?

20210124192531  博士

審査員の力量で見落とされる場合もあるんじゃが、超一流誌の審査に携わる研究者でも、架空のデータを見逃してしまうことがあるんじゃ。

20191109120746 Nagoya

実際、いくつかの捏造が、社会的にも大々的に問題視されています。

toyokeizai.net

20191110141023 Centrair

専門家にも分からないことがあるのだから、信頼できる論文かを専門外の人が判断するのは至難の業ね。

20191115111656 Marriott

だったら、論文を発表した研究者が所属する組織・機関で判断するのは、どうなの?

20191109120032 Nagoya

日本で言えば「東京大学・京都大学=優秀」というイメージが定着しているけれど、研究に関しては、所属している組織・機関を参考にするのではなく、研究者個人を評価する必要があります。

20191115111404 Marriott

東京大学や京都大学の研究者が必ずしも優秀ではないということ?

20191110141023 Centrair

日本を代表する大学に所属している研究者が不正をしているとなると、何を信じて良いか分からなくなる…。

20210124192531  博士

そうじゃな、最後に信じることが出来るのは、自分じゃ。

20191109120746 Nagoya

研究者は皆、自分自身で論文を読んで、その価値を判断しています。

20191115111411 Marriott

そんな~、論文読めないよ~。

20210124192531  博士

論文を読まなくても論文の質を判断することができる数値があるので、専門外の人は、その数値を参考にすると良いぞ。

 

科学・医療系の学術論文を読むときにチェックしたい「論文の質と研究者の貢献度を反映する数値」

インパクトファクター(Impact Factor; IF)
20210124192531  博士

「論文の質」を評価する際に古くから採用されているのが、学術誌に付与される「インパクトファクター(IF)」じゃ。

20191115111409 Marriott

何それ?

20191109120743 Nagoya

簡単に説明すると、「質の良い論文が 、どの程度掲載されているのかを示す数値」が「インパクトファクター(IF)」です。

インパクトファクター(IF)の計算方法

2018年のインパクトファクター

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※北海道大学 付属図書館のHPから拝借

20210124192531  博士

インパクトファクター(IF)は、こちらで調べることが出来るぞ。

20191115111404 Marriott

でも、インパクトファクター(IF)って、論文を収録している雑誌にたいする評価で、一つ一つの論文にたいする評価ではないよね?

20191109120032 Nagoya

鋭い…。

20210124192531  博士

インパクトファクター(IF)は論文にたいする間接的な評価に過ぎんが、数値が高い雑誌に掲載されている論文は、一定の質が保証されていると考えることができるぞ。

20191110141019 Centrair

「日本製」というだけで、商品が世界で一定の評価を受けるのと同じね。

20210124192531  博士

うむ、ただし、あくまで目安じゃから「論文の被引用数」も調べた方が良いぞ。

20191115111404 Marriott

被引用数??

20191109120743 Nagoya

論文に記された内容は、論文発表後も、新しい研究のために自分達・他の研究グループで活用されます。

20210124192531  博士

その結果、「新たな研究の中で参考にされた論文」は、新たな研究結果がまとめられた論文の中で「参考文献」として引用・紹介されるのじゃ。

20191110141246 Centrair

被引用数は、後の研究にどの程度の影響を及ぼしたかの指標になるということね。

20191115111656 Marriott

論文を自分達で引用しまくることがあるんじゃない?

20191109120032 Nagoya

そ、そうだね。

20191110141019 Centrair

最新の論文だと、どうしても被引用数が少なくなるから、「被引用数」は最新の論文の評価には向かないよね?

20191109120032 Nagoya

そ、そうだね。

20210124192531  博士

「被引用数」だけでは様々な問題があるから、「研究者」を評価する数値も参考にするのが良いぞ。

h指数(h-index)
20210124192531  博士

h指数は、論文の質と量の両方を定量化した数値じゃ。

20191109120743 Nagoya

「発表した論文のうち、引用された回数がh回以上であるものがh報以上あることを満たすような最大の数値」として定義されています。

h指数の具体例

 

  • h指数が30である研究者=30回以上引用されている論文を30報以上発表している。(発表した論文のうち、31回以上引用されている論文は31報未満である。)
  • 発表した論文のうち、10回以上引用されている論文が10報以上あり、11回以上引用されている論文が11報未満である研究者のh指数=10
20191110141019 Centrair

ということは、100回以上引用されている論文を1報発表していても、他に論文を発表していなければ、h指数は「1」ということね。

20191109120743 Nagoya

うん、継続して研究に携わっていないと高いh指数が得られないから、その研究者の研究への貢献度の質と量を知る目安にすることが出来ます。

20191115111656 Marriott

ドラゴンボールの「戦闘力」みたいな数値だね!!

20191109120032 Nagoya

ま、まぁね…。

i10指数(i10-index)
20191109120743 Nagoya

h指数の最大値は、発表した論文数です。

20191110141019 Centrair

学位を取得したばかりの若手研究者の場合、どうしても数値が低くなるよね。

20210124192531  博士

そうじゃ、だから、「i10指数」なる数値がある。

20191109120743 Nagoya

「10回以上引用された論文の数」を示すのがi10指数です。

20191110141027 Centrair

これなら、若手研究者もしっかり評価できるね。

20191115111656 Marriott

どうやって若手研究者かどうかを調べるの?

20191109120743 Nagoya

日本で研究している研究者であれば、「researchmap」で研究者の経歴を調べることができるます。

まとめ

20210124192531  博士

学術論文や研究者を客観的に評価するためのシステムが整いつつあるが、専門外の人が科学・医学系の学術論文を読むときは、筆頭著者と責任著者の「インパクトファクター(IF)」・「被引用数」・「h指数」・「i10指数」をチェックすると良いぞ

筆頭著者(ファーストオーサー、first author、第1筆者)

  • 学術論文の執筆および当該研究において中心的な役割を担った者(学術論文の著者欄の先頭に名前がある者)

 

責任著者(コレスポンディングオーサー、corresponding author、連絡著者)

  • 学術論文の執筆および当該研究において責任を持つ者(学術論文の著者欄の先頭もしくは最後に名前がある者であることが多い)

 

論文を読むときに参考にしたい数値

インパクトファクター(IF)

論文が掲載されている雑誌の影響度を示す数値

※個々の論文の影響度を示していないので要注意

被引用数

論文が他の論文中で引用された回数を示す数値

※最新の論文は数値が低くなる傾向があるので要注意

h指数

影響度が高い論文を発表している目安になる数値

※発表論文の総数が少ない場合(若手研究者等)、低くなる傾向があるので要注意

i10指数

一定の影響を与えた論文の数の目安になる数値

※影響度が極めて高い論文の有無が分からないので要注意

20191109120743 Nagoya

発表から5年以上経過した論文については、「被引用数」を調べて「論文の質」を評価すると良いと思います。

20191115111656 Marriott

良い論文の目安は?

20191109120743 Nagoya

個人的には、「被引用数」が年間4回以上であれば「良い論文(貢献度が高い論文)」と考えています。

20210124192531  博士

研究者を評価する場合には、「h指数」と「i10指数」を合わせて評価すると良いぞ。

論文や研究者を評価する時にオススメの無料サイト

researchmap

  • 日本で研究している研究者が登録されています。

※研究者自身が登録する必要があるため、登録されていない研究者がいる可能性有り。

 

Google Scholar

  • 論文の「被引用数」や研究者の「h指数」と「i10指数」が登録されています。

※「被引用数」は全ての論文について検索可能であるが、「h指数」と「i10指数」については研究者自身がGoogle Scholarに登録している必要があるため検索出来ない場合も有り。

 

ResearchGate

  • 世界中の研究者が登録されています。

※研究者自身が登録する必要があるため、登録されていない研究者がいる可能性有り。

 

あとがき

20191109120743 Nagoya

最後まで読んで頂き、有難うございます。

ツイッター(@nagoya1976)もやっています!!

質問・コメントは、ツイッターのDMからも受け付けています!!

20191115111649 Marriott

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