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訪問、有難うございます。
「心の風」に誘われて、
思うがままに書き綴る「旅する生命科学者Nagoya」です。
(いらすとやのHPから拝借)
今回は、
2020年1月に中国・武漢に端を発した「新型コロナウイルス(COVID-19)」についてNagoyaが学んだことを紹介したいと思います。
- 新型コロナウイルス(COVID-19)についてこれまでに分かっていること
- 考えられる「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染経路」
- ウイルス感染から発症まで
- 新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した場合の症状
- 個人で行える「新型コロナウイルス(COVID-19)対策」
- あとがき
新型コロナウイルス(COVID-19)についてこれまでに分かっていること
今回は、千里金蘭大学副学長&富山大学名誉教授(医学部)の白木公康先生が執筆された文献に書かれている内容を少しでも分かりやすく&要点だけを紹介したいと思います。
ウイルスとしての特徴
コロナウイルスの設計図(ゲノム)は、約3万個の化学物質(塩基)から構成されていることが分かっています。
※文献
3つの化学物質(塩基)が1つのアミノ酸の暗号になっているから、コロナウイルスの設計図(ゲノム)には約1万個のアミノ酸の暗号が埋め込まれているということだね。
ウイルスは、細胞に感染して、その細胞の中でしか増えることが出来ないんだよね?
うん、細胞の表面に存在する「アンジオテンシン変換酵素2」という名前のタンパク質を利用して細胞の中に侵入し、増殖することが分かっています。
※文献
2種類存在する「新型コロナウイルス」
新型コロナウイルスが2種類存在するという話があったけど…
新型コロナウイルスの設計図(ゲノム)に収められているアミノ酸情報のうち、ある部分(2万8144番目の塩基)が異なるS型とL型の新型コロナウイルスが存在することが分かっています。
※文献
S型とL型は、他に何か違いがあるの?
2020年1月7日を境にした分類では、中国・武漢で1月7日以前に分離されたウイルスの約96%がL型で、武漢以外で1月7日以降に分離されたウイルスの約38%がS型であったそうです。
※文献
L型の方がS型よりも悪性度が高いと言われているね。
※文献
コロナウイルスが増殖する速さ
- インフルエンザウイルス:感染して6時間後には、感染可能なウイルスが1億個/mL程度に増殖
- SARSコロナウイルス:感染して6時間後には、10万〜100万個/mL程度に増殖
※文献
感染したウイルスの数が同じであった場合、感染者から放出される新型コロナウイルスの数は、インフルエンザウイルスの約100分の1程度と推測できます。
※文献
全員が「感染している」と自身で仮定し、マスクを着用して飛沫の拡散を予防すれば、インフルエンザ以上に予防が可能になりそうね。
コロナウイルスの感染能力
(いらすとやのHPから拝借)
2m以上離れていれば、飛沫感染しないと言われています。
※文献
2mで何が起こるの?
人から出た飛沫は、2m移動する間に細かい固まり(エアロゾル)に変化し、乾燥するんだよ。
※文献
ウイルスは、乾燥すると感染出来なくなるの?
インフルエンザウイルスを含む多くのウイルスは、乾燥すると感染能力を失うことが分かってます。
※文献
ということは、湿度を高めるのは、ダメ?
湿気がある密室ではウイルスが乾燥を免れるので、感染能力が維持されることが分かっています。
※文献
空調が3時間停止した飛行機内で、1名のインフルエンザ患者から37名に感染したという事例があるね。
※文献
機内では人の動きがほとんど無いから、ウイルスが感染能力を維持した状態で機内を浮遊し回ったということだね。
ただ密室を避けるのではなく、湿気が多い空間・密室では換気や除湿を心がけ、人と人の距離を2m以上保持することが大切ね。
(いらすとやのHPから拝借)
(いらすとやのHPから拝借した図を改変)
マスクを使用すると内部が蒸れてくることがあるけど、これは、気道粘膜の乾燥を防ぎ、繊毛運動を保持するのに有効だと考えられています。
※文献
部屋の加湿は、気道にもウイルスにも優しいということね。
ということは、室内の湿度を上げるより、マスクをして気道周辺の湿度を上げた方が良さそうだね。
考えられる「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染経路」
物を介する感染
(いらすとやのHPから拝借)
例えば、
- ティッシュで鼻をかむ際に鼻を触った手がウイルスで汚染
- 汚染された手でドアノブなどの物を触り,物にウイルスが付着
- ウイルスが付着した物を他の人が触り、他の人にウイルスが移動
- ウイルスが付いた手を顔面にもっていく
- 感染
という経路が考えられます。
※文献
ウイルスは乾燥に弱いということだったけど、人の身体の外では、ウイルスはどのくらいの時間感染能力を保っていられるの?
SARSが香港のホテルで集団発生した事例では、感染者が宿泊した部屋で使用された雑巾を介して他の部屋にウイルスが移動し、感染が他の宿泊者に拡大したとされているようね。
※文献
- 顔に手をもっていかない
- 手の消毒や手洗いをする
- うがいをする
が大切だね。
飛沫感染
(いらすとやのHPから拝借)
飛沫感染では、咳やくしゃみで生じる飛沫が主な原因です。
呼気から感染する可能性はあるの?
呼気の87%をエアロゾル(飛沫が細かくなった塊)が占めているけど、感染した細胞の中で新たに作られるコロナウイルスの数は、インフルエンザウイルスの約100分の1。
インフルエンザほど感染能力は強くないと推定されています。
※文献
通勤時の電車が混雑している割に感染者増の原因になっていないのは、
- マスクを着用している人が多い
- 車内で会話をして飛沫を飛ばす人が少ない
ことが背景にあるかもね。
うん、実際には、このイラストのような状況ではないように感じています。
(いらすとやのHPから拝借)
夜の歓楽街での感染が多い理由は、会話をする際に生じる飛沫が食べ物に付着するからじゃない?
(いらすとやのHPから拝借)
うん、そのような気がしています。
ウイルス感染から発症まで
インフルエンザウイルス
抗体の保有状況によって34.9%の人が発症すると見積もられていて、早ければ18時間で発症し、約2日でウイルス量は最高に達します。
発熱や頭痛、筋肉痛は、喉周辺の症状よりも早く回復しますが、ウイルスの排出は約1週間(人によっては20日)観察されることが分かっています。
※文献
ライノウイルス
鼻風邪の原因であるライノウイルスは、感染3日後に発症し、3週間はウイルスが観察されます。
※文献
コロナウイルス
鼻風邪の原因であるコロナウイルスは、約1ヶ月間はウイルスが観察されます。
※文献
新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した場合の症状
インフルエンザのような感冒症状に加えて、致死性の間質性肺炎・肺障害を発症します。
※文献
個人で行える「新型コロナウイルス(COVID-19)対策」
有効な治療法が確立されていない現在、一般の人が出来ることは「予防」だけど、どうすればいいのかな?
ウイルスには、
- 自分では、増えることが出来ない
- 自分では、動くことが出来ない
という特徴があるので、
各自が行動を制限して、「ウイルスの生産工場&運び屋」にならないことが大切かな。
現在の人類にとって、唯一とも言える「救い」だね。
じゃあ、できる限り外出を控えて、次のことを意識するね。
・外出する時はマスクをする。
(いらすとやのHPから拝借)
・他人との距離は2m以上確保。
(いらすとやのHPから拝借した図を改変)
・むやみに物に触れない。
(いらすとやのHPから拝借)
・こまめに「手洗い&うがい」をする。
(いらすとやのHPから拝借)
外出した家族が外からウイルスを持ち込んでいる可能性もあるから、室内の換気も定期的に行いたいね。
(いらすとやのHPから拝借)
未成年者(特に小学生以下)の子供や高齢者が居る家庭では、検温を習慣付けると良いと思います。
(いらすとやのHPから拝借)
あとがき
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